柏  峠

静岡県中伊豆町−伊東市
2002.8.25

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 冷川峠と柏峠との分岐点。柏峠から移転してきた道祖神2体(一体は台座しかなく、誰かが持ち去ってしまったのだそうだ)、「伊東近道」と書かれた石塔、案内板等々色々なものが林立している。余程の歴史がある峠路のようだ。
 分岐点からは、まずきれいにアスファルト舗装された路を沢に沿って上る。冷川峠の路と比べるとかなりきついが、乗って上れないほどではない。ダンシングしながらひーこら上っていく。
 上っている途中に、沢の対岸にも路が続いていることに気が付いた。少し探索してみる。地道で、時折藪の中に隠れたり、土砂崩れで消失している箇所もあるが、道形も結構はっきりしており、どうやら柏峠の旧道のようだ。機会があれば調べてみよう。
 なんとか上りきり、林道のピークに到着。ピークは三叉路になっていて、直進するとコンクリ舗装からすぐに地道に変わり、行き止まり。右折して峠を目指す。
 右折したとたんに地道となる。「少し幅の広い山道」といった感じだ。路は尾根沿いをほぼフラットに通っているので、部分的に乗車可能。なかなかいい雰囲気だ。そういえばこんな路、久しぶりだな。
 「このままこんな感じの林道で峠まで続いているかも」といった期待は見事に外れ、徐々に道幅は狭まり、完全な山道となった。土砂崩れで路が持って行かれている危険な場所も数カ所ある。これまた久々の「担ぎ」となり、黙々と上る。勾配が緩いのは助かった。
 峠に到着。自転車を肩から降ろして地べたに座り、脚を投げ出して深呼吸。うーん、気持ちいい。夏は「担ぎ」はやらないつもりだったけど、来て良かったな。
 峠は544メートルと473メートルの無名峰の鞍部に位置している。鞍部は丸みのある暖かい感じのカーブを描いており、富士の鶯宿峠によく似ている。落ち着きを感じる峠だ。
 鞍部の真ん中には地元の山岳会が作ったのであろう峠の看板があった。
 柏峠については、冷川峠との分岐にある案内板ではこのように記されている。
「往古より大見・狩野地域から江戸との物資や文化の交流は、この峠を越えて伊東の港からであった。地形的に険阻なこの峠越えは、「極難の道」といわれ人々を悩ましてきた。・・・(中略)・・・しかしこの通路も明治39年、新しい県道が開通すると、しだいに古い歴史をもつ柏峠越えは廃れていった。
 また、この峠にはいくつかの史跡、伝説が残されていて、その主なものは、「天狗の詫証文」・「柏峠の宝印塚」・」馬場平の石仏群」・「おちい観音物語」・「柏峠の黒曜石」などがある。  中伊豆町教育委員会」
 天狗の詫証文の話は知っていたが、その他の話しも面白そうだ。調べてみよう。
 峠を下る。しかし道形は薄く、消失している箇所も多い。途中、倒木群を抜けるときには完全に道はなくなり、自転車を置いて探索が続く。深めの沢の渡渉も数カ所ある。時折木々に巻き付けられている白いビニールテープを参考に、カンを頼りに慎重に下っていく。最後は崖をよじ登り、林道に取り付いた。逆コースで登っていったら、かなりきついだろうな。
 林道の取り付き部分。自転車の置いてあるところから出てきた。その脇に「柏峠 約15分」と書かれた葉書大の案内板が木にくくりつけられていたので、多分ここが正規の登山ルートなのだろう。しかしこの案内板、余程注意していないと気が付かないだろうな。
 そして舗装された林道をかっ飛ばして伊東の街に下っていった。
 伊東の市街地から沢口峠の上り口まで、海岸線沿いを走った。駐車場や海の家の客引きの甲高い声が耳につくが、これもこの辺の風物詩。もう夏も終わりだな。

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