空堀小屋跡から鞍掛峠へ

1998.6.14


 翌日は5時起床。ひとしきり皆川さんと話をした後、冷たい清水で顔を洗い、食事を済ませ、テントを撤収して7時出発。
 昨日とはうって変わって快適な道をじわじわと上り、ここは空堀跡。下田村から延びてきた山道との合流点でもある。
 空堀跡からの最初の巻き返し路。道幅は広く歩きやすい。鳥の声も心地よい。昨日の苦労が嘘のようだ。
 桜の窟跡。御所平ともいう。京都から逃れてきた後白河法皇の第三皇子、高倉宮以仁王の屋敷があったと伝えられている。今はただ洞窟があるだけだ。
 のんびりと進み、殿様清水に到着。戊辰戦争の折り、最初の長岡落城の時、藩主の牧野忠訓は八十里越を通って会津に逃れたが、道中ここで清水をすくい、喉を潤したという。
 ここからの景色はとても良い。同じ景色を牧野候も継之助も見て、二度と帰ることがない越後の山並みを目に焼き付けたことだろう。
 殿様清水を過ぎると道幅はぎゅっと狭まり、勾配もきつくなってくる。路面崩落箇所も何カ所かあるが、いずれも難度は低い。
 いきなり現れた狭く急勾配の路を自転車を背中に回してよじ登ると、そこが鞍掛峠だった。標高965メートル、八十里越最高所である。「やったぞーっ」と柄にもなく叫んでしまった。嬉しかった。ただ嬉しかった。
 峠の山の神と昔からの標柱。やはり1円玉や5円玉が沢山供えられていた。
 峠全景。典型的な「峠」だ。石碑の手前は広場になっていて、ここでサイトしても良さそうだ。

 空堀小屋跡から約250メートルのアップだが、路の状態がいいため、苦労はない。途中の景色は素晴らしい。

空堀小屋跡発 7時00分 − 鞍掛峠着 8時30分(休憩含む)


田 代 平 へ

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