眺 峠


 十三峠街道の諏訪峠の、眺山をはさんですぐ東側を通る峠である。地図では「長根峠」と表記してあるが、地元のお婆さん達に聞いたら皆「眺峠」と呼んでいるので、こちらの名前を使いたい。
 下小松の仁王様の前で車をデポする。自転車を組み立てていると、向かい側の家からお婆さんが物珍しそうに出てきて、色々と話しをしてくれた。それによるとここの仁王様は、特に「足」について御利益があるそうで、戦時中、招兵を受けた若者は、必ずここでお参りをしてから出兵したとか・・。私もここで脚力が強くなりますように、とお参りをして走り始める。
 峠路は全舗装で道幅も広い。勾配もさしてきつくなく、走り易い。諏訪峠と全く同じ感じで、取り立てて書くことはない。この時期に乗車したまま上れる峠は、皆こんな感じである。
 峠は緩く鞍部を乗っ越す感じで、西側の眺山に向かう路との三叉路になっている。碑もあったが全く読めなかった。諏訪峠は緑のスロープが美しかったが、この峠は朝日連峰の姿が美しい。真っ白に染まった山塊は、山形の春がまだ遠いことを物語っていた。

名前の由来:応永年間、弘法大師の高弟柿本紀僧正がこの峠に休み、長井盆地を眺めたところからこの名がついた。(「山形県の地名伝説」より)


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