紅 葉 峠


 今回も奥さまと一緒に走った。蔵王ライン沿いにある、蔵王林道の入口に車をデポする。終始緩い勾配で山を巻いており、地道をのんびりと楽しめる気持ちのいいところなのだが、奥さまは今日はかなりバテ気味だった。
 最初の分岐点を右折してググッと上って行くと、山形の街並みが一望できる。山形の夜景が美しく見えるところとして、西蔵王高原、常明寺などが有名で、デートのメッカとなっているのだが、また一ついいところを見つけた。ここもきっと夜景がきれいだろう。
 さらに進むと、勾配が一段と緩くなり、ほとんどフラットになってくる。ここはパラダイスゲレンデで、ここからは蔵王温泉の景色がよい。冬はスキーヤーで混み合うこのゲレンデも、今はただひっそりと静まり返っていた。
 パラダイスロッジを過ぎると程無く峠につく。峠は三叉路になっていて、鳥兜山に向かう道が派生していた。一段上が公園のようになっており、高松宮妃殿下の歌碑がある。期待していた紅葉はすでに終わっていて、葉っぱの服を全部脱いだ裸の木々の間から木枯らしが吹いていた。
 とにかく寒かったので、熱いコーヒーを一杯飲んで下ることにした。下りでは私がずっと先行していたのだが、デポ地に戻ってヤレヤレと後ろを振り向くと、すぐ後ろに奥さまがいてギョッとする。曰く「気が付かなかった?ずっと後ろにくっついていたんだよ!抜かそうと思えば抜かせたんだけどねぇ。」短期間でのこの成長ぶりは特筆物である。「バテていると思ったから手加減して走ってやったんだよ!」といっては見たものの、少々恐れを感じずにはいられない私であった。

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