加 茂 坂 峠


 鶴岡の大山に車をデポして走る。緩い勾配の峠路をゆっくりと上って行くと、右側に二つの碑がある。非常に珍しい鳥海山の石碑とこの峠路を切り開いた鉄門海上人の碑である。湯殿山の石碑はそこら中にあるのだが、鳥海山の石碑は今回初めて見た。鳥海山も信仰の山なので、今まで見つけられなかったのが不思議だったのだが・・。
 この鉄門海上人という人は今七五三掛の注連寺で即神仏となっているのだが、すごい人だったらしい。その時のエピソードを二つ。
 寺にはいった後の鉄門海上人は江戸に行って眼病が流行っていることを知ると、自分の左目をくり抜いて隅田川の竜神に捧げたという。
 また、以前深い仲にあった飯盛女が男装して注連寺に忍び込み、一緒になろうと迫ったが鉄門海上人はガンとして受け付けず、自分の男根を切り落として女に与えたという。
 現在その男根は部分ミイラとして鶴岡の南岳寺に祭られている。見たい気も少しはするが、やっぱり男のものは見たくない。
 峠はトンネルになっている。そのトンネルを抜けたとき海が見えるかと期待したのだが駄目だった。峠を下ると加茂に着く。漁港特有の匂いを胸いっぱいに吸いこんだ。

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