二 口 峠


 山寺で車をデポして走った。地盤が弱く、しょっちゅう土砂崩れが起きるため、自動車で通れるときが少ない。こういうときは自転車だけの世界になるので私としては大歓迎なのだが、地元の人はたまったものではないだろう。
 登りの途中、振り返ると路が、蛇がのたくっているように見えるところがあるが、ここからの景色は圧巻である。峠は二つあるように思われるが最初のところは偽峠で、次のところが本物で、県境になっている。
 下りも、路が谷に吸いこまれていく様を一望できる場所があり、胸がわくわくしてしまう。長い未舗装部分と素晴らしい景色が、この峠の最大の魅力である。このときは仙山線の陸前白沢駅まで走り、そこから輪行して帰った。
 最近、この峠で大規模な整備が行われることが地元紙で報じられていた。長い林道を楽しめられるのも後数年かもしれない。

名前の由来: 二口峠には峠の道が二本あって、一本は高瀬地区の高瀬より清水峠を越えていく道と、もう一本は山寺地区の馬形から山伏峠を越えていく道があって、通称二口というところで落ち合い、これから一本になって野尻、秋保を経て仙台に行かれた道を二口街道と言い、清水峠と山伏峠を総称して二口峠と呼んだのである。(「二口峠と高瀬」斎藤留三郎著より)
 地形図で「二口峠」と書かれている場所は山伏峠のことであり、従って標高934mというのは山伏峠の標高であって、林道の峠の標高ではない。


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