善 波 峠

神奈川県伊勢原市−秦野市
1998.12.27

 書籍の口絵写真の美しさに惹かれて峠を訪れることもある。「武蔵野歴史散歩」という本は関東山辺の道について書かれていて、私の好きな本の一つだ。
 この本には三つの峠が口絵写真として載っている。一つは八王子の七国峠。そして厚木の津古久峠。もう一つがこの善波峠だ。趣のある白黒写真で、人を惹き付けるものがあった。いつかこの写真と同じ風景に出会えることを楽しみにしていた。
 しかし七国峠と津古久峠は開発の波をもろに受け、写真の面影は全く残っていなかった。そして善波峠だけが首の皮一枚で波を避け、かろうじて古道の雰囲気を保っていた。

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 旧善波隧道手前(秦野側)のラブホテル脇の小径を上っていく。暫くはなんの変哲もない舗装道が続く。
 舗装道からコンクリ道に変わり、林道になる。意外と味があるいい路だ。
 久々の林道を味わいながら上っていると、程なく峠に到着した。見事な切り通し、峠らしい峠だ。
 善波峠は矢倉沢往還の路としてヤマトタケルの昔から歴史に残っている峠である。2つの隧道ができて廃道に近い状態になっていたらしいが、今では「関東ふれあいの路」として整備されているようだ。
 切り通しの伊勢原側に、石仏が4体、ちょっと離れて1体佇んでいた。ずーっと昔から我々旅人を見守っていてくれたんだ。
 伊勢原への下り路。よく締まっているいい林道だ。
 旧善波隧道。隧道単体で見るとなかなか趣があるのだが、実は伊勢原側、秦野側ともラブホテルが密集している。これでは峠の神様もたまったものではないだろう。
 新善波隧道。国道246号線の隧道として交通量は凄まじい。日本の大動脈だ。

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