出 牛 峠

埼玉県皆野町−長瀞町
2000.12.17

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 唐沢峠から下ってきて、ここは出牛平辺り。なかなかのんびりとした街並みだ。「出牛」は「じゅううし」と読む。この謂われについて書かれた本があったので引用してみる。
 「昔かくれキリシタンの徒が、この部落におって、十字架という字がまともに使えないので、その読み方をもじって、じゅううしとこの字を読ませた。そうしたことから地名が生まれたというのである。」
「秩父多摩丹沢」−直良信夫著 武蔵書房 昭和47年刊
 隠れキリシタンの墓標らしい古い墓があるという西福寺の右脇の小径が、出牛峠の入口だ。路も結構しっかりとした作りで、どこか懐かしい雰囲気が漂っている。
 開墾地を抜けると、路はいよいよ山道となる。今でも通る人達がいるのだろうか、意外に思えるほど道形がしっかりとしている。昔からの峠路の証だね。恐ろしいくらい静かだ。自分の息づかいしか聞こえない。
 峠路の途中にあった道標。「右 野上樋口道 左 山道」とある。従って右側の道を行くのが正解。しかし尾根沿いに林道が通っているので、どちらを選んでも同じだったりする。
 峠に到着。今までの薄暗い森を抜け、カッとまばゆいばかりの光を浴びた...
 ら、そこは舗装された林道の上だった(^^;。まあ、事前に地図を見てわかっていたことなんだけどね。ちなみに自転車は上の写真と同じ位置。わかっていたこととはいえ、やはりちょっとがっかりしてしまう。先ほど引用した直良信夫氏の「秩父多摩丹沢」では、この峠のことをこう記している。「出牛峠の頂には、片岩に属する岩塊が、黒い肌を地表にのぞかしていた。が、長年峠越しの人々の足で踏まれていて、どこも滑らかになっている。」
 今は昔だね。コーヒーを沸かしながらこの峠が賑やかだった頃を想像してみた。
 上の写真から少し進んだところに掛けられていた峠の看板。地元の山岳会が掛けた物だろうか。
 峠を下る。東側の峠路も結構道形はしっかりしている。ところどころ乗車できそうな場所もある。でもやっぱりのんびりゆっくり担いで下る。約1ヶ月ぶりの山道の下り、充分楽しむ事ができました。
 貯水施設にぶつかって林道と合流、荒れた林道をロデオよろしく下っていく。細いタイヤでのこの緊張感が何とも言えず楽しい。
 さて、この林道と合流する部分、長瀞側から上ってきた場合非常にわかりづらくなっている。貯水施設のある部分は十字路となっており、右に曲がると長瀞高原ビレッジに行く。直進する林道は山の中で行き止まり。左の赤いテープでマーキングしてある山道を進むこと。
 林道と県道13号線とぶつかる地点にあった道標。「右 峠ヲ経テ出牛ニ至ル 左 唐澤ヲ経テ出牛ニ至ル」大正12年に作られたものだ。

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