天 目 指 峠

埼玉県名栗村−飯能市
2000.2.5

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 県道53号線、名栗村役場付近に車をデポ。早朝の山村の景色の中、冷たい風を頬に受けながら走る。やたらと犬をつれて散歩している人達に会ったのが印象的だった。
 「名栗」のバス停を右折し、峠に向かう。小川に沿って緩い勾配で直線的に上っていく。ずいぶん山奥まで民家が続いていた。
 峠道の中盤ほどで道は沢から離れ、九十九折れで山肌を駆け上っていく。勾配も相当ある。巻きの内側は乗車しての登坂は不可能なぐらいだ。ようやく汗がにじみ出てきた。
 九十九折れが終わると勾配も幾分緩やかになり、道も再び直線的になる。こうなるともう峠は間近だ。ギア比を上げ、早いピッチでペダルを回す。頑張れ、あと少しだ。
 峠に到着。鞍部を深く彫り込み、山を苦し紛れにググッと巻いているタイプ。見事な切通しの峠だ。
 巻きの内側には、この峠道が昭和35年に開削されたことを示す記念碑が埋め込まれている。峠自体の歴史もかなり古い。名栗川、高麗川沿いに生活していた人々にとって、この峠はお互いが交流しあうための主要道路だったのだ。峠の名栗側にある東屋にて大休止。目を閉じれば往事の賑わいが浮かんできそうだ。
 飯能側にあった峠の碑。この峠名の由来が書かれてあった。 

「天目指峠の由来は、天目はアマメと読み、これはこの付近の方言で豆柿を意味しています。豆柿というのは、山地に自生する親指頭大の熟すると紫色になる柿の一種で、このあたりは柿が非常に豊富であったということです。また「指」とは、山地で行われる原始的耕作法で、山を焼いてそのあとに種をまく焼畑のことです。」

 ううむ...、天を目指す峠じゃなかったのか。峠名の由来なんてえてしてこんなものだが....。

 巻きの内側から上に登っていくと旧峠がある。静かで雰囲気のいい峠だ。鞍部の両側に一つずつ、石の祠が鎮座している。それぞれが峠を挟んだ両側の集落の方向を向いている。写真は北側から写した。(2000.3.5撮)
 峠の東側に鎮座し、南方向、つまり上名栗の穴沢方面を向いている祠。(2000.3.5撮)
 峠の西側に鎮座し、北方向、つまり南川の上久通方面を向いている祠。(2000.3.5撮)
 峠から飯能側に下る。最初はヘアピンカーブが連続する全舗装の快適な道。久々に思いっきり風を感じながらかっ飛ばして下っていった。完全防備しても風邪を引きそうなくらい冷たかったけど.....。
 峠からの景色はあまりぱっとしないけど、飯能側に下り初めてすぐに、北側の展望が開ける場所がある。思わず停車して記念撮影。
 峠から下ってきてここは上久通の集落。久々に民家を見てほっとする。写真左側の建物は公衆便所。登山地図にも表記されている。登山者や旅人などこの峠を通る人が多いから多いから、こんな山奥の集落の端にこんな施設があるのだろう。さすが秩父、その心遣いが嬉しい!

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