赤 岩 峠

埼玉県大滝村−群馬県上野村
2000.4.1
(2/2)

 峠を下る。しかし..今思い出してもひどい道だった..。写真の白くなっている部分はがちがちに固まった雪である。白く見えない部分は厚い氷で覆われている。そう、峠道が丸ごと凍結しているのである。アイゼン不携帯を悔やみつつ、注意深く下っていく。しかしここはどう注意しても結果は目に見えており、いきなり派手に滑落..。結構落ちたが何とかよじ登り、今度は尻餅をついたまま道を滑って下る。最初はよかったがフットブレーキがよく効かず、そのままの姿勢でコースアウト..。再びよじ登り、今度は斜面を登山靴で蹴り込みながら下る。これはうまくいったが体力の消耗が激しい。途中二抱えほどある倒木を乗り越える際、着地に失敗して滑り、またもや落下..。もはやよじ登る気力もなく、見当をつけて自転車もろとも斜面をずり落ちていった。
 涸れ沢に出会ったところにある「赤い岩」。ひょっとするとこれが赤岩岳や赤岩峠の名前の元になったのかもしれない。と、大休止しながらボーッと考えていた。
 数度の滑落によって側頭部、肩、胸、脇腹、腰、腿、膝とありとあらゆるところを岩、木、自転車にぶつけてしまった。その時は必死であまりなにも感じなかったが、明るい涸れ沢にでたとたん、緊張が緩んだのか一気に体中が痛みだした。自転車もガードがボコボコになってしまったが、致命的な損傷は何とか免れたようだ。
 しかしこの沢道もかなりのくせ者だった。赤いリボンやテープを頼りに岩がごろごろする涸れ沢を下っていく。涸れ沢を通る峠は幾つもあるが、ここのは特に長い。それにきつい..。自転車をずり落としながら進む。随分下ったところで左側から沢が合流してきて、そこから高巻きの道が現れる。最初は右側、そして左側に。しかしこの道、台風でも一回くれば道なんか無くなってしまうのではないかと思うほど脆い。一歩進む毎に地面に足がめり込み、道が崩れていく。高度も結構あり、下は岩場。転落しないよう、半身を斜面に押しつけるようにして進む。右側の高巻きの道は何とかクリアできたが、左側の高巻きの道で道が崩れ、ついに転落。とっさに自転車を肩から離し、自身はフットブレーキを使って落ちていく。
 再び沢に落ち、もはや登山道に戻るのはあきらめた。沢をそのまま下っていくことを決意。よろよろと自転車を担いで岩場を下っていく。と、前方に堰堤を発見!急いで近づくと、堰堤の上には林道らしきものも見える。このときは本当に助かったという気持ちだった。
 自転車を林道まで担ぎあけ、やれやれと大休止。正直、下りでこんなにも手間取るとは思わなかった。さっきの転落のショックでニッカボッカーが3カ所も破れ、ぼろぼろになっている。身体も痛い。自転車のガードは更にボコボコになってしまったが、走行に支障がでるほどの傷を負っていないのがせめてもの救い。自転車に散々謝った後、呼吸を整え、林道を下っていく。
 群馬側の最初の集落である胡桃平。自動販売機でジュースを2本立て続けに飲んでようやく生き返った心地になった。この後国道299号に出て、志賀坂峠に向かう。

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