神 坂 峠
長野県下伊那郡阿智村−岐阜県中津川市
2012.3.18

  ニューサイ誌で写真を見てからずっと行きたい峠の一つでした。ある日、行きたい願望が突然ピークとなり、夜中に車を飛ばし、積雪期の峠を登ることになりました。
素晴らしい峠でした。私の目の前に姿を現したのはたった10分に満たない時間でしたが、それでも満足でした。この写真は2015年2月に新宿で行われた写真展に「ちはやぶる」というタイトルで出展したものです。

 長野側の峠路は永年車両通行止めになっている。当然自転車も通行することは出来ない。ゲート前の駐車場に車を置いて歩き始める。この峠路は途中まで恵那山の登山ルートにもなっているので、駐車している車も多い。
 恵那山登山口を過ぎ、どんどん高度を上げていく。雪も路を覆うように積もっている。地図で現在地を確認しながら進む。
 ヘブンズそのはら(スキー場)との分岐手前から積雪量が格段に多くなる。しかし分岐点からは峠路はスノーシューの観光客によって踏み固められているので歩きやすくなる。
 スノーシューの観光客に全く遭遇しないまま、ひとりぼっちで黙々と進む。そのうち霧が酷くなり、展望どころか先の路さえ見えない状況になってきた。
 峠に到着!しかし真っ白で何も見えない。ニューサイ誌で見た写真を頭の中でイメージし、シャッターを切る。せっかく来たのだから少し粘ってみるか。
 峠は風が強く、雪も吹き飛ばされてアスファルトが顔を出しているところも多い。そこに横になって少し寝る。ずっと身体を伸ばしていなかったから気持ちがいい。ずっと眠ってしまいそうになったので、起きてそこら辺の雪を集めてコーヒーを沸かす。

 それから長い時間が経った。あきらめて帰り支度を始めたとたんに霧が晴れた。頭の中のイメージ通りの光景が目の前に広がった。夢中でシャッターを切った。


2回目・2013年3月16日の記録

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